メイン 香川県 コトデンのうた | 投稿するにはまずユーザ登録を |
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minamikaze | 投稿日時: 2006-5-18 0:00 |
準常連 登録日: 2006-3-22 居住地: 投稿: 11 |
コトデンのうた 以下の詩は誰のことをうたったものでしょう?
ピエロ 南風一 彼の祖父は子爵か男爵だった 地方の名家だったから 地方政府から請われて 鉄道会社の株式を引き受けた 木炭バスが走り出したら バス会社の株式も引き受けた 地方のことだから客数は知れたものだったが 堅実にやっている分には特に経営難に陥ることもなかった 戦後40年が過ぎても 大手鉄道会社から払い下げを受けた戦前の電車を走らせていたくらいだから 彼も質素堅実な経営者の部類に入っただろう(ただし人生の終章を除けば・・・) とき悪しくも バブル華やかりしころ 地方でもご多分にもれず 鉄道会社の駅ビル経営が盛んに喧伝された 彼の地でも 戦災を受けたままの駅舎を建て替えて 中央の大手デパートを呼ぼうと地元自治体や経済界のお偉方は 盛んに彼を焚き付けた それまで設備投資らしい設備投資を経験したこともない零細な地方鉄道会社であったが なるほどそんなにみんなが言うならと ついつい坊ちゃん癖が頭をもたげて 彼は駅ビル建設を決めてしまった デパート経営は中央のデパートに丸投げしたので 開店から数年の売上は老舗の三越に迫る勢いだった そこまでは良かった ところが提携していた中央のデパートが破産してしまった さあ それからが大変 駅ビル会社は連鎖破産 駅ビル建設のために巨額の資金を借り入れた鉄道会社も破産 小さな田舎都市に分不相応な駅ビルを建てた責任は彼にあると 地元の自治体も経済界も手のひらを返したように 彼を責め立てた 彼は 祖父の時代からの社長職を追われ 個人資産の供出まで求められたが 憮然として「俺は悪くない」とうそぶいた 彼の鉄道会社の再建計画はもめにもめて 結局 地元自治体や経済界が再び談合支援を決めた 社長の首もすげ替えて再出発した 彼は流刑囚よろしく 祖父伝来の地に逃れて隠遁生活を送っていたが まだ70才を越えたばかりで あっけなく世を去った その無念さや いかばかりだったか (詩集の宣伝) 詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、 からどうぞ |
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