速記の好きな人達を対象に速記サークルを立ち上げたいと思います。
流派を超えて、速記についての思いや苦労話し、楽しかったこと、思わぬ失敗をしたことなど、いろいろと語り合ったり雑談など、楽しい交流の場にしたいと考えています。メールでのやり取りや、同じ流派の会員が速記で文通したり、上級の会員が添削指導したりすることも可能でしょう。また、時には会員の皆さんが集まって交流を深めることも楽しいことです。過去、速記を習ったことがあり、今でも速記が好きな方、速記を習ったことはあるが途中で投げ出した方、現在、速記を習っている方、速記の入門書で独習中の方など、一人でも多くの方の参加をお待ちしております。

私は３０有余年前に、雑誌の広告で早稲田式速記を知り、面白そうなのですぐ入会し、速記文字を覚えることに熱中していました。しかし、仕事の都合で一番大事な基本文字の書き取りの練習を二の次にし、手っ取り早く、上級の高度省略法を専ら暗記し、講座の文法編（速記文字中心の文章）や新聞・雑誌、ラジオから流れる歌謡曲の歌詞、その他、関心のあるものは次々と書き取って覚えていったものです。しかし、人の話言葉を書き取るまでには、原文帳（半紙を２つ折に半分に折って綴じたもの）が自分の身長と同じ高さになぐらい、速記文字を書き続けていかなければならず、毎日２時間の練習時間は必要です。私の場合は、仕事がハードでしたので帰宅すると疲れて、とても書き取りの練習どころではなく、一週間に４時間程度のものでした。そのため、話し言葉を書き取ることは到底できませんでしたが、速記を覚えたことで後に大いに役立ったのです。当時、リコーのセールスマンをしていましたが、都合で退職し、次に就職したのが広告関連の会社で新たに出版部門の新設を募集しておりましたので応募し、幸いにも入社でき、タウン誌の編集に携わり、取材にも飛び回りましたが、以前に覚えた速記が役に立ったのです。その後、産経新聞に移り、営業の仕事と取材業務で広範囲に飛び回り、ここでも、私独自の筆法と速記が取材に役立ったのです。産経には１０有余年在籍しましたが、各分野で活躍する人達を取材した数、何と１万人を超えており、その中でも特に思い出深い人との出会いで交わした名刺と原稿は保存しております。
タウン誌の編集長を任されたり、産経では支局長にまでなることができたのは、一つには速記を習得していたお陰でもあるのです。
産経を退職後、昭和６２年に山口商事を自営することになるのですが、速記は現在でもいろいろと役に立っています。私が今度生まれ変わるとしたら、同時通訳の仕事か速記士として活躍することが夢です。兎に角、速記には不思議な魅力があり、また、高尚で最高の素晴らしい特技であることには間違いありません。是非、あなたも速記にチャレンジしてみてください。いろいろな方面に関心を持つようになり、知識・教養が身につき、視野が、世界が広がりますよ。